鬼虫のネタバレと感想!無料試し読みやあらすじ
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マンガ名 | 鬼虫 |
作者名 | 柏木ハルコ |
連載 | ビッグコミックスピリッツ』連載、2003年から2005年まで |
単行本 | 全5巻 |
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鬼虫のあらすじ・ネタバレ
この物語は平安時代中頃のお話になります。
東南海中にあった文明とは隔離された小さな島での出来事です。。
いつ頃からこの島に人が住んでいるかも分からないようなところで、その島は「鬼島」と呼ばれていました。
幼少時代にトラゴが「タナ姉え」と呼んでいたお姉さんと少年で一緒に海辺で遊んでいました。
その時にふとしたことで「タナ姉え」が行方不明になってしまいます。
それから数年してから、トラゴと少年(ククリ)は、その時の罪の意識に悩まされながらもすくすくと育って結婚をしていました。
そんなある日、海辺に「タナ姉え」に似ている女性が漂流して来ました。
二人は「タナ姉え」に似たていたその女性に対して「タナ姉え」のことを重ねていましたが、実際には二人よりも年齢は若かったのです。
その夜に家が火事になって二人は起きます。
ですが「タナ姉え」に似た女性の姿と食糧がそこにはありませんでした。
トラゴはすぐに後を追っていきます。。
女は島からの脱出を試みるましたがあまりの波の激しさに失敗して結局トラゴに助けられてしまいます。
ですが家は焼け落ちてしまっていました。
「タナ姉え」に似た女性の漂流者をかくまってから何か不吉なことが起きています。
鬼島の巫女でこの島の有力な権力者であったクウロウ伯母は、そのように考えて「タナ姉え」に似た女性をトラゴに捨てるように命じます。
ですが二人は流行病ではないことを理由にして捨てないことを決めました。
女性の名前は「マナメ」といいました。
次の日にクウロウ伯母に見つからにようにとマナメのことををかくまう二人でした。
しかしその時に大きな地震が起こってしまいます。。
クウロウ伯母にマナメを捨てたことを聞かれたトラゴはとっさに「捨てた」とをつきます。
ですが何か不吉な匂いを感じたクウロウ伯母は山中を見回りに行来ました。
その道中に偶然にもマナメのことを発見して、捕らえてしまいます。
そして、マナメの運勢をしっかりと占います。
鬼虫を読んだ人の感想・口コミ・レビュー
これは作者の前作「花園メリーゴーランド」ですでにやっていることなのですが、今回は巻き込まれた側ではなく
進入された島側に主観が置かれています。時代も舞台もそもそもの設定が全く違うので、一見関連がないようでいて
逆の視点からのドラマに仕立て上げられているという共通点があるのがおもしろいところ
島という小さな集落は桶に納まった水のようなもので、たった一滴の不純物が落とされただけで
その波紋は大きな揺らぎとして広がっていき、その営みも大きく変化していくことになりますが
崩壊から壊滅までの一時を切り取って描いたかのような、人間の持つ本能と狂気の物語として
閉鎖状況におけるドラマ展開にはゾクリとさせられました。
前近代的なムラ社会が「異物」を排除しようとする過程を軸に、
「文明対宗教」「都会対田舎」「人間対自然」といったさまざまな対立構造が
物語の中に浮かびあがる。
これらの重いテーマを扱いながらもあまり思想がかっていない
作者のニュートラルな目線が心地よい。
こういう描き方ができる人はなかなかいない。
そこに一人の女が流れ着き、
それまで平穏だった島民の暮らしが
少しずつ「凶」へと変わっていく、というストーリー。
柏木ハルコの場合、いつも「エロ」ばかりに
目がいってしまうけど、
そっちの「性」だけじゃなくて、
登場人物の「生」を見るのもおもしろい。
島の女トラゴのたくましさはどうだろう。
ブチきれて、舌出して大暴れしたりするのだ。
そして、表紙の絵をはじめとして、
そんな強い女が時折見せる憂いの表情の
セクシーさといったらない。
単純に女を見るためだけに読むのもいいし、
島の暮らしや風俗を見て楽しむのもいい。
もちろん、この島がどうなってしまうのかという
物語としてのおもしろさは満点。
いろんな読み方ができて楽しいマンガだ。
作者が女性だそうで、なるほど女性キャラクターが非常に躍動感がありリアル。見た目は可憐でも芯の強い大和撫子、でもって情けない主人公を母性愛で包み込んだり時には猫のように突き放し翻弄したり…みたいな未熟な男が食いつきそうなアンリアルな女が全く出てこない。舞台設定上、裸の描写がすごく多いのにまったくエロくない。男性読者に媚びてない。とにかく作者の潔さが伝わってくる作品でした。
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鬼虫登場人物の紹介
トラゴ
鬼島で暮らしている怪力でとても働き者のたくましい女性。
幼い頃に一緒に遊んでいた姉のタナを海で亡くしてしまってその責任を感じている。
ククリ
トラゴとは幼なじみで夫である。
トラゴの姉タナが死んでしまったことの責任をトラゴ1人に押し付けてしまったことに罪の意識を感じている。
マナメ
島に偶然漂着してきた女性で本土の人間である。
トラゴが幼い時に海に流された姉のタナに顔が似ている。
クウロウ
島の巫女で島に漂着してきたマナメを、不吉だから捨てるようにとトラゴに告げている。
島のリーダー的存在で誰も逆らうことができない。
モモエ
クウロウの息子。
死んだことにしてとらわれていたマナメを見つけ出すが、返り討ちにあってしまう。
トラゴの説得で口外はしないがマナメを犯そうと企んでいる。
鬼虫の予想・考察
この漫画の島の女性はみんな上半身は裸なのですがとてもたくましい体をしています。
トラゴが鳥を捕獲するために穴に潜んでいた時に、ワシ掴みで女性を捕らえるシーンなどはその象徴になります。
そのような常識離れした島にに文化や体型が女性らしく丸みを帯びている異質なもの舞い込んだことによって、今までの島の当たり前だった生活風習が少しずつ壊れていきます。
この辺が物語に吸い込まれていくポイントなのでしょう。
また男性らしい女性像と、女性らしい女性像の画が対照的で実に表現力豊かに描かれているので眼で見ても十分楽しむことができます。
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