Piece10巻(最終巻)のネタバレや結末は?無料試し読みや感想
Pieceの情報と芦原妃名子先生のその他のマンガ
マンガ名 | Piece |
作者名 | 芦原妃名子 |
連載 | 『ベツコミ』(小学館) 2008年5月号から2013年5月号まで2ヵ月おきに連載 |
単行本 | 全10巻 |
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Piece10巻(最終巻)のネタバレ・あらすじ
名古屋から戻ってきた水帆はすぐに成海の家に向かいました。
家に入ってみるとリビングには食べる途中のオムライスが置いてありました。
『えっ・・・成海が食べたの・・・?』
その時 成海は部屋で寝ていました。
成海の頭をなでる水帆でした。
「逃げないでここにいてくれてありがとう」
次の日は成海の20歳の誕生日で朝11時には清掃業者がやって来る予定でした。
水帆はバラエティーに富んだペンキとカラースプレー缶とマジックを持ってきていたので、最後くらい自由気ままにやろうと誘ってきます。
2人がかりで真っ白な床や壁をべらぼうにに汚くしていきます。
「破壊と創造を繰り返しながら人は大人になっていくんだよ」
水帆はまだ小さかった頃懐いていた怪しいお兄さんの言葉を思い出しました。
「オレはずっと同じ場所にいる」
『あの日成海とあのバスに乗らなかったら私は今もあの場所にいたのかな・・・。』
今まで積み重ねてきた既成概念を破壊する。
成海と偶然会ってからそんな毎日の連続でした。
十中八九落書きをし終えてから、水帆は自分自身から成海にキスをします。
両腕は自分を守るためにあると思っていた。
ただ自分が欲しいものに真っすぐと手を伸ばし抱きしめる。
たかだかそれだけのことにずいぶんと時間を使ってしまった。
「やべ・・・気分わり・・」
成海はその途中でトイレに駆け込んでいき、卵を食べたせいで吐いてしまいます。
そのようなことをしているうちに日付が変わって二人で一緒に誕生日ケーキを食べるのでした。
「成海・・・今日この家を出てどこに行くの?」
「近く・・・?それとも遠くに行くの・・・・?」
次の日の朝、シャワーの音で目が覚める水帆でした。
成海はどこにでかけるか何も言わず一人で家を出て行きます。
そんな感じでスパッと成海が水帆の前からいなくなってから2週間が経過しました。
成海がいなくなっても意外にも平気だと話す水帆でした。
ですが礼美には成美が単に強がって無理しているようにしか見えませんでした。
その日の夜に成海の夢を見てしまいます。
水帆は別れたあの日のことを夢の中でリピートしていました。
「・・・須賀ちゃん。愛してあげらんなくてごめんね」
その夢の途中で目が覚めて、何となく思い出したことはあの時の肌の感触でした。
『二度と触れることはないんだな。』
そう思った一瞬になんともいえない強烈な絶望感に襲われます。
礼美は不憫に思い水帆の家に押しかけます。
「私・・・今ちょっと・・・死にたい・・・かも」
礼美は「必ず時間が解決するよ」と言いながら水帆を支えます。
いっぱい泣いた後に、平常心を取り戻して、ようやく睡眠が取れるようになり、それからご飯も食べられるようになり、少しずつ回復していきます。
折口宅に足を運ぶ礼美と水帆と矢内でした。
はるかのことをあらいざらいはっきりと話します。
「大切な友達だったのに・・・本当にごめんなさい・・・!!」
涙を流して頭を下げながら謝る礼美でした。
はるかの母はその礼美を抱きしめて泣きながらお礼を言います。
「あの子に・・・あなたみたいなお友達がいたなんて・・・ありがとう」
成海がいなくなった後も、水帆の日々はなにも変わりませんでした。
でも世界はほんのすこし変わっている。
成海と出会うまでは自分が知らないことばかりだったと自覚する水帆でした。
涙が悲しいだけで溢れるわけじゃないってこともわかりました。
世界にラブソングが満ち溢れている意味も。
成海から遅れること3ヶ月後たって、水帆にも20歳の誕生日がきます。
あまり得意でない生クリームは避けて、年が明けて成人式を迎えます。
成人式にはいろいろな人が来ていましたが、やっぱり成海はそこにはいませんでした。
式が終わってとにかく散会して二次会に行く水帆でした。
「楽しんでくるね。お父さん行ってきます!」
なんとなく明るくなった水帆を見た父は「水帆は・・・最近雰囲気が変わったな」と母に言います。
バスに乗り込んで店に向かう水帆でした。
その道中で昔よく遊んでいたお兄さんを見かけるとバスを降りて声をかけます。
そうするとお兄さんは水帆のことを思い出したようでした。
「水帆ちゃん、君は絶対まともな大人になんかなれないよ」
そう言われて成海の母に言われた言葉を思い出した水帆でした。
頭の中がバラバラになりそうになった時、店の前で待っていた同級生たちに会います。
なんとか笑顔を取り戻して同級生に駆け寄る水帆でした。
そういった時、水帆の母は成海クリニックでカウンセリングを受けていました。
「私・・・あの子のことが怖くって・・・」
母は今まで水帆がついていた嘘を全部知っていましたが黙っていたのでした。
「先生の御本は全て読みました・・・・!」
これからも全て先生の指示どおりにやっていけば大丈夫。
先生がいれば絶対に大丈夫。
「全部全部。先生のおかげです」
水帆の母は成海理沙子の崇拝者になっていました。
何が現実で何がまやかしのか。
選ぶのはいつも私自身。
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Piece10巻(最終巻)の感想と考察
かなり複雑な複雑なストーリーの漫画でした。
登場人物は皓の母親以外は、みなさん普通に実在していそうな感じの人でした。
でもみんながみんなそれぞれいろいろな問題を抱えていました。
人間生きていく上でいろいろとありますからね。
人間の考え方や気持ちって本当に難しいものですね。
元々水帆は人と付き合っていくことが苦手だったので、あまり人に関心を示すことがない女の子でした。
ですがはるかの母親から、「生前はるかが付き合っていた男性を探してほしい」というお願いにのることにします。
このままの自分ではいけない、自分を変えてみようという思いからだったのでしょう。
それから人と関わっていくことで水帆は大きく変わっていきます。
冷静で何か独特な雰囲気を持っていた彼女だったのですが、人と積極的に関わっていくことで感情が前面に出るようになっていくようになります。
どんどん成長していく様子がわかりました。
ですがどちらかというと、クールなほうが落ち着いた大人ととられることもしばしばあります。
でも心が成長していって人との関わり方もうまくなっていくということはこのようなことを言うのですね。
大人になるというのはこんな感じなのかな?
それからこのストーリーの大事な部分となる「皓」なんですが、彼は人との距離がちかいんだけど、その心の中がどういうわけか分かり辛い男の子でした。
結局のところ、ラストまでどんな子だったのかよくわかりませんでした。
そして物語の途中ででわかった、彼の兄・比呂のこと。
彼らは心療内科のお医者さんの母親によって実験体にされていました。
それは完全に同じ家庭環境の元で別個の土地で育っていくと人格がどのように違っていくのかという実験でした。
比呂は内気でおとなしい性格でしたが時々、狂気が手がつけられない状態になる危険ないち面を持っている男の子でした。
この兄弟はお互いに依存しあっていました。
それぞれが離れていても、お互いを必要としていて、片方が自分にないものを埋めていくという存在だったのです。
2人が近くにいたらお互いの暴走を止めることができたのかもしれませんが、引き離されたことで結局歪んでしまったのです。
結果的には二人はそれぞれ自立して生きようとしていきます。
その後にはそれほど際立った将来があるかのようには描かれていませんでしたが、あまりトントン拍子にうまくいきすぎると現実離れしすぎるからかもしれません。
そしてこの物語の軸になっていた、「はるかを堕胎させた男性」ですが、ネタをバラストこれははるかが妊娠したのではなくて、水帆の友人の礼美tp坂口にできた子どもを堕胎していたということでした。
これはさすがに読めませんでした。
坂口は自分が以前に起こしてしまった事件のことをネタに脅されて、最底辺層で生きていました。
それに対して同じ事件に関係していた皓が普通に過ごしていたことにいらだって、有名高校で素晴らしい将来が待っている人間を痛い目にあわせたいという思いで礼美に近づいています。
坂口の親はお金持ちで権力もあった人物だったので、坂口のひき起こした事件も何事もなかったかのように後始末をしてくれます。
でもそれは彼を助けるためにしたことではなくて、自分自身の保身のためでした。
礼美の堕胎についても坂口の父親の指し図で誰にも気付かれることなく行いました。
この辺は社会の嫌な部分描かれています。
何不自由なくいい家庭で育っているように見えるけれど、実際には歪曲した環境にいる水帆のような人。
人に寄り付くことでしか生きていけない人たち。
そして寄り付かれて脅されていくことで、暗闇から抜け出せなくなるコウジのような人。
障害を持ちながらも一生懸命に生きている丸尾のような人。
実際の社会はみんな同じではないです。
恋愛も自分と同じような環境で生きていない人とは結局のところうまくいかないことが多いです。
そういったところの現実が情け容赦なく描かれていたように思います。
そして水帆がまだ小さかった頃にバスに乗って通っていた、遊んでくれる楽しいお兄ちゃん。
出来心から一度幼女に手を出してしまって警察に捕まりますが、最終巻で同じように子どもから人気のあるおじちゃんとして描かれていました。
あの男性が出てきたときに、世の中には子どものままでいることを選ぶ人間と、焦って大人の世界に無理やり飛び込もうとする人間がいるということを感じました。
ほとんどの人は知らない間に少しずつ大人になっています。
でも最近では実際のところ大人になりきれてない人も多いのかな。
この漫画の表現は極端でしたが、皓や水帆がもがきながら大人になっていく姿が描かれていました。
大人になるのはすごいことのように思うかもしれませんが、実は何も余計なことを考えずに毎日をいきていくことなのかもしれないなと思ってしまいました。
悩んでそして考えることを繰り返していくのが思春期です。
それをあきらめた時に大人になれているのです。
不思議なことですよね。
それから折口はるかの存在にはいろいろと考えさせられることがありました。
おとなしくてとても地味な女の子です。
でも彼女の人生はとても想像を絶するものでした。
つまらない人生なんてないんだよと作者は言いたかったのでしょうね。
最後に驚くべきことがわかります。
水帆の母親は、実は皓と比呂の母の元患者だったのです。
幸せの裏側には実際何が隠れているのかわからないということですね。
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Piece10巻(最終巻)を読んだ人の感想・口コミ・レビュー
これはこれでアリなエピソードですが、「あれ、成海は・・・??」という肩すかし。
私がこの最終巻までハラハラドキドキと待ち望んだ、願っていた結末ではありませんでした。
『砂時計』のように番外編でまたコミックが出てほしいです。その後を是非!
9巻まで凄く楽しかっただけに凄く残念…
結局全てが未解決のまま終わったしスッキリしない…
本当に残念
しまったー。
話の終わらせ方は悪くないと思います。
ちょっと、もどかしい感もありますが、なかなか怖いです。よい意味で。
このぐらい不明瞭な方が
精神衛生上、非常に良いと思います。
ついついわかりやすい答えを
探してしまう自分に喝をいれられるというか…。
そして、この漫画を読んでしまうと、
ますますテレビをみなくなり、
新聞を読まなくなってしまう…。
テレビに出てくる専門家の意見なんて、
聞く必要ないのだな、という結論に…。
(恐ろしいお母さんは好きだけど。)
「え?この先どうなるの…?」みたいな、「それじゃ何も解決してないじゃん!」みたいな。ホラーとかになると酷くなりますよね、含みを持たせてはいるけど結局それどうするんだ?っていう終わり方です。
なのでこの漫画を読んで「すっきり」だとか「あ~よかった!」っていう感覚は一つも得られません。残るのは重苦しい人間関係に対する疑問と、「普通」とはなんなのかという疑問、ラスボスはなんだったのか、主人公の母ってかなりやばくない?っていうか、彼氏どーなんの?いやそもそもこの母子、兄弟ってどうなの?いや…むしろ、この物語では誰が悪いの?…とかいった疑問、疑問、疑問につきます。
少しずつ足りないピースが様々な人の中にあった、それが共鳴しあって沢山の人を巻き込んだ。でも一枚パズルが完成したように見えたその果ては…また、ピースの足りてないもの同士のピースの埋めあいが続きます。
主人公はどこかおかしいまま終わっているような気がするし、恋愛もうまくいってません。上っ面で解決したように、乗り越えたように見せかけています。嘘臭く、今後主人公がまともに育っていく確信はひとつも持てない。
でもそれこそこの漫画のラストな気がします。
そもそもこんなに人を振り回して傷つけてあさりまわして、人のため人のためといいながら結局は好きな人と近づきたかったというこの主人公が、とある出来事をきっかけに心が生まれ変わり彼氏とうまくいってラスボスも倒して何もかも乗り越えました…なんてそれこそ漫画みたいです。彼氏も、うーん。「普通」だけど「普通」じゃありません。自分の足りない部分と向き合って乗り換え、人をまっとうに愛していくなんて漫画みたいでとても素敵な終わりですが、この漫画はそうはいきません。
登場人物の、特にこのメインの二人が(あと兄もか)ずうっと何か圧倒的に足りなかったような気がします。人を愛するだとか、尊敬するだとか、基本的なことが人より一つ欠けているような。そんな何をどうやっても埋まらない子たちが集まっても、なんにも起きるはずがありません。幸せになりようがないのです。
依存することでこの子たちは空虚の隙間を一瞬だけ本能的に埋めあいますが、それは永遠ではありません。このパズルが完成する日はきっと、あったとしてもずっと先で、そこが礼美やはるか、コウジ、ひきこもりの子とは絶対的に違う所だったとおもいます。
そんな二人がこういう風に終わったというのは、ご都合主義な終わり方ではなかったからではないでしょうか。もやもやっとすることに間違いはないのですが。笑
ただそんなもやもやっとした終わり方は割りとカテゴリーによってはあるので、しかたなし。引きは完全にミステリーのそれです。
寧ろ特筆すべきは作者さんの鋭利な感情の描き方です。一人一人人間の汚い部分だったりとか悩みだったりとかを非常に繊細にかきあげてらっしゃって、誰にでもあるだろう小さいけれど大きなことを描くのが、とにかく上手い。
主人公や彼氏含め、多種多様な環境で育った人間の感じたことを、針に穴を通すような丁寧な言葉でひとつひとつ表現されていて、理解はできなくても翻弄されていく登場人物の姿に心がずしんときます。重苦しいまでの主人公たちの複雑な感情が漫画の中で何度も何度も飛び交っていて、たまりませんでした。
特にコウジくんの礼美のコンプレックスを受けてからの「生きててスミマセン」、と9巻の成海くんの限界点、あれはよかった。
主人公と彼氏は満たされぬまま進んでしまって全てはラスボスの思惑通り…?みたいな所で終わりますが、これからを想像するとおもしろいです。明瞭な答えはなくてもいいんじゃないかな。眼鏡の子が言った通りあの成海くんは主人公が欲しかった形ではなかったですが、主人公のことをギリギリまで受け入れてました。恋愛漫画としての答えということで一つ、いかがでしょうか。
そんなかんじで★5点です。作者さんの漫画は分厚く長く、連載も長期に渡るものばかりかと思いますが、次の作品が読めることを心から楽しみにしております。
その中で生きていくのは難しい。
自己は、社会で基礎を定めた親を土台として、
その上に積み重ねたり、蹴ったり倒したり築き上げるもの。
だから、親を土台に出来なかった成海も水帆も自己を確立するのが難しい。
pieceは、そういった話しで終わった、気がする。
女の子って母親に異物扱いされているかもしれないって、
心の奥底にちょっとひっかかっているんだと思う。
芦原妃名子の紡ぎだす物語には、いつもそれがある。
少女漫画としては、成海を幸せにして欲しかったなあ。
このままじゃ、5歳の頃会ったヘンなおじさんになっちゃう。
ラスボスと戦わないから後味が悪いなあ。
ピースは9巻ですべて嵌め終えていて、
10巻前半で完成した水帆と成海の世界を観賞し、
後半は、もう一度その絵を崩してみたら、
下絵にラスボスたちがいたってことですか。
絵柄が子供っぽかったけれど、
心の闇を扱った恐い大人の漫画でしたね。
少女漫画らしい夢物語で終わって欲しくはないという期待どおり、現実的に最後まで描いてくれました。
ただ、最後の最後は違和感を残してくれるエンディングでした。
ネタバレになってしまうので書きませんが、現実的には在り得ない設定であること、そして、もう一度読み返して確認したくなる設定で終わっています。
読み返して、とってつけたような締めなのか、元から計画していた締めなのか、それを確認することができたら、またこの作品への評価が変わると思います。
夢物語的な少女漫画に飽きた方にはおススメの作品です。
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