マンガ健康で文化的な最低限度の生活ネタバレと感想!あらすじや口コミ
作者柏木ハルコ先生が書いているマンガ健康で文化的な最低限度の生活について情報をまとめています。
話題作「花園メリーゴーランド」とはまた全く違った現在の社会問題について書かれているマンガになります。
今大きな問題になっている生活保護に向き合う新米ケースワーカーたちの奮闘ストーリーをぜひお楽しみください。
健康で文化的な最低限度の生活の情報と作者柏木ハルコ先生のその他のマンガ
マンガ名 | 健康で文化的な最低限度の生活 |
作者名 | 柏木ハルコ |
連載 | 『ビッグコミックスピリッツ』(小学館) 2014年第18号から現在も連載中 |
単行本 | 既刊5巻 |
作者柏木ハルコ先生が書いているその他のマンガ
- 健康で文化的な最低限度の生活
- 花園メリーゴーランド
- いぬ
- よいこの星!
- ブラブラバンバン
- 鬼虫
- 愛・水族館
- QUOJUZ
- 地平線でダンス
- も〜れつバンビ
- 失恋日記
健康で文化的な最低限度の生活のあらすじ・ネタバレ
この物語の主人公は新卒で公務員になったばかりの義経えみるです。
彼女が初めて配属されたのは福祉事務所でした。
えみるはその場所でケースワーカーという役割で、生活保護と直面する仕事に就くことになります。
ですがえみるはそこではじめて生活に苦しんでいる人々の暮らしを目の当たりにします。
新聞などのメディアはもちろんですが、現職の福祉関係者・ケースワーカー・医療の方も注目している内容の本格派ドラマです。
生活保護に真正面から向かいあう新人のケースワーカーさんの奮闘劇が今ここから始まります。
健康で文化的な最低限度の生活を読んだ人の感想・口コミ・レビュー
私のいた自治体のCWさんのコンセプトはわかりやすく、私は非常に助けられました。そして今はちゃんと納税している「フツーのサラリーマン」です。貰ってみると分かりますが、「働いても生活保護くらいしか稼げない!」なら、絶対働いて稼いだほうがいいですよ。この漫画は、そうした、文句言いたいだけの人には向きません。
作者は何かの意見を押し付けるわけでもなく、ただリアルに現場を描いていると思うのですが、そして本当はきれいごとばかりではないですが、非常に面白く読めます。
作者にこのまま特定の政治的な意見を持って描いてほしくないとは思いますが、公務員のみなさんがどういう気持ちで、どういうスタンスで働くべきかというのがすがすがしく描かれています。
この漫画が、受給者、納税者、公務員それぞれの立場を理解したうえでみんなが生きやすくなるための参考書になればよいと思います。このまま高校の教科書に載せて議論してみてもらいたいくらいです。
私は受給者側だったので、ノーテンキな主人公に「それは言っちゃダメ!!」などとはらはらしながら、新人社会人が頑張る話としても読めます。
本当に実態を描けているのか? と最初は半信半疑で手に取ったのですが、
とても綿密に取材されていて感服しました。
この作品を通して、生活保護業務のリアルを多くの方に感じていただきたいです。
1巻ということで、色んなエピソードを少しずつ見せていく方法をとったのは仕方ないと思います。
2巻以降、一つ一つのケースを深く掘り下げていくやり方に、シフトしていくのではないでしょうか。
絵もうまくて、キャラの表情も豊かでした。
受給者の部屋の中などは、細部までしっかり描かれており、漫画ならではの醍醐味を感じることができます。
不正受給(不正就労)等への批判的視点がない、との指摘があるかもしれませんが、今後必ず描かれていくはずです。
読んでいて感じたのですが、作者は生活保護というテーマを、可能な限りフェアに描こうとしています。
頑張っている受給者、怠惰な受給者、親身に相談に乗るケースワーカー、「クズが…」とグチるケースワーカー。
どれもリアルなんです。
おそらく、最終的に作者は前向きで建設的な訴えをしていくのだと思います。
残念ながら、それは現場と少しズレがあります。
本当の現場は、「なんて非建設的な仕事なんだ」とか、「早く異動したい」、「さっさと死ねばいいのに」という雰囲気が優勢なのです。
ですが、このギャップは仕方のないことだと思います。
この漫画はノンフィクションではなく、フィクションだからです。
フィクションは、現実を踏まえたうえで、それでもなお、読者に希望を示すべきものだと、個人的には思います。
生活保護というテーマで、作者がどんな風に希望を描いてくれるのか。
これからがとても楽しみな作品です。
生活保護の大まかな実態を知るきっかけとして、分かりやすくオススメしたいと思います。
受給している方の様子、福祉事務所の雰囲気や発生するトラブル、読んでいて本当に「あ〜あるわー」と思わせる内容がとても多く、多方面で取材なされているのだなと感じます。
1巻だけで見ても、こういう方確かにいたわ、と思い起こされることが多かったです。
巻末には生活保護法や制度について分かりやすく書かれたおまけもありますので、知るきっかけとしてはとっつきやすさも合わせてよろしいかと思います。
おそらく様々な実例を基に作り上げているのだろう。登場する人々にはリアリテイがあります。そこから感じられるのは、みんな必死に生きている。眼前の貧苦に苦しむ者とその手助けのために自信を犠牲にして尽くす者とがいて、両者とも「健康で文化的な最低限度の生活」の維持のため必死だということです。我らの税を用いて困った人々を助ける使命の崇高さと、様々な矛盾から来る憤りとも無力感ともつかぬある種の重さをも覚えます。
みんなが幸せに豊かになることなんてありうるのだろうか。画餅に過ぎない綺麗ごとなのかと感じながら読むうちに、必至に奮闘する主人公たちの姿に、世の中にはこんな人々がいる限りまだ捨てたものじゃないなと感じてしまう。それは、パンドラの箱に残された「希望」というものにも似ているかもしれません。
黙阿弥の白波物の狂言が、幕末明治の最下層の人々の生きざまを描き、今日でも不滅の価値を放つように、この作品も平成の世に生活に苦しむ市井の人々を描いているだけに、未来の子孫の貴重な資料となるかもしれない。そんな気がします。
そして、ここで発信されているメッセージは、あらゆる場所、特に教育現場で大いに活用すべきでは。少子化が進みセーフティーネットの重要性がより必要とされる昨今、未来を担う子供たちには格好の題材です。
健康で文化的な最低限度の生活の感想と考察
「健康で文化的な最低限度の生活」という漫画を読んだ感想ですが、率直に興味深い内容だし、作者の柏木ハルコ先生も実によく勉強されているなあと感心させられてしまいます。
タイトルからして分かると思うのですが、生活保護のことを描いているマンガで、今もなお現役でビッグコミックスピリッツという雑誌でで連載されています。
この物語の主人公のえみるが、生活保護のケースワーカーという今までにはなかったジャンルで奮闘していくのですが、これがまたすごく面白いです。
タイトルを見て気難しい内容と感じてしまうかもしれませんが、このマンガはぜひとも読んでほしい名作です。
この物語の初めは実際に生活保護を受けている人の人生と接する場面から始まります。
ふと自分の周りを見渡しても本当にいろいろな人がいますよね。。
この漫画はすごく勉強になる内容で、生活保護とはどういうものなのか?
実際にどのような人が生活保護を受けているのか?
どのようなことが現在問題となっているのか?
ということをを大変わかりやすく教えてくれます。
難しい本ではなくてマンガなので抵抗なく読むことができると思います。
よくある話としてこのような現実的な社会問題を手がけるときには、妙に説教っぽくなったり、空気が重くて読んでいて疲れるものが多いです。
よくよく考えると社会問題はとても難しいテーマではありますが、焦点を小さな問題にあてると程よい物語になるんです。
ですが健康で文化的な最低限度の生活での 主人公えみるはただとまどってしまうことが多いです。
このとてもデリケートな社会問題を漫画化しているのが柏木ハルコ先生です。
さすが人間の心理を深くまで考えて作りこんだ作品です。
じつはこのマンガを描くために2年もの取材期間を費やしているそうです。
この完成度なので現実の現場からの評価もかなり高いようですよ。
健康で文化的な最低限度の生活登場人物の紹介
義経えみる(よしつね えみる)
この物語の主人公ヒロイン。
新人ケースワーカーで他人のかんがえていることがわからない鈍感な性格をしている。
栗橋千奈(くりはし ちな)
義経えみるの同期。
民間企業で2年間働いた建研を持っている。
生活保護のことをよく理解していて仕事ができるタイプ。
だが性格的に突っ走る傾向があり冷たい一面を持っている。
七条竜一(しちじょう りゅういち)
義経えみるの同期。
母子家庭で育った影響からか熱い性格で仕事も一生懸命だが、えみると同じで他人の気持ちをうまくくみ取れない欠点がある。
後藤大門(ごとう だいもん)
福祉職で義経えみるの同期。
接客は穏やかで人とに接し方がうまいタイプ。
桃浜都(ももはま みやこ)
紙を真ん中でわけている女性で義経えみるの同期。
えみると同じくまだ仕事の内容を十分には理解できていないが、元々温和な性格でいつも笑顔で対応している。
半田(はんだ)
先輩のケースワーカー。
すごく仕事ができるタイプの人間で能力も高い。
えみるの良き相談相手となっており上手くフォローしている。
京極(きょうごく)
係長でとても責任感が強いタイプの人間。
無駄な支出を減らして不正受給に対しては厳しく対応するように言っている。